SHOCKに終わりはこない

先月、2020年のエンドレスSHOCKの制作発表があった。梅芸千秋楽での光一さんの予告通り、キャストはガラリと変更となった。そこに元太くんの名前はなく、3年に渡り続いたSHOCK出演は2019年の梅芸公演をもって一旦は幕を閉じた事になる。


SHOCK出演は本当に大きな出来事だった。


元太くんとSHOCKを語るとき、始まりは出演した時ではなく出演しなかった時からになる。
2015年秋、シンメだった松倉くんが地方SHOCKに出演することになった。その夏から松松は別活動となる。今年(2019年)になってからインタビューで明かされたところでは、この時のSHOCKのオーディションは元太くんも受けていて、そして受からなかったということだ。
sexy松というユニットも自然消滅となり、正直この頃からJr.の番組での元太くんの出番は少なくなり、立ち位置もかなり下がった。
この時、大阪まで自腹で赴き松倉くんの出るSHOCKを見たことは元太くんにとって大きな転機になる。

まつくの出演するSHOCKを見に、大阪まで行ってきたよ。幕が上がってからはずっと松倉を見てた。もうね、最初から泣いてた。「すごいな、オレも負けていられないな」って思ったし、いっぱい刺激を受けて。終わった後も楽屋に行って話したし、帰りの新幹線に乗る前にもう一度話したくて、大阪駅からまつくに電話したの。思ってたこと全部伝えてたらまた涙が出てきて駅で泣いてた。いつもJr.活動で一緒だったからこんなに離れてるのは初めてなんだよね。早く会いたいし、ご飯食べに行っていろいろ話したい! (duet2015年12月号)


そのあと、元太くんはジャニーズワールドと滝沢歌舞伎と舞台仕事を経験し、2016年5月から松松は再びシンメで活動することになる。夏のサマステ、健人くんソロコン、秋のジャニーズフューチャーワールドとたくさんステージに立った。
そして11月に翌年の帝劇SHOCKのキャストが発表された。そこに松倉くんとともに元太くんの名前もあった。
嬉しかった。本当に嬉しかった。


SHOCKはジャニーズ舞台の中でも特異な舞台だ。とにかくスケールがでかい。贅沢で濃密。オーケストラがついてるというだけで贅沢だし、外部のバックダンサーもたくさんいる。
そして演者が命がけである。光一さんの命がけ度は桁が違う。SHOCKの象徴的な場面と言えば、階段落ちとリボンフライングだと思うが、実際見た時に驚いたのは、それらがパフォーマンスのほんの一部であることだ。その他の部分はメインイベントのための助走、ということでは全然なく、3時間ぎっちりみっしり体張ってる。ダンスももちろん殺陣も太鼓も、見てるだけでも疲れるわ!!という緊張感が続く。座長がそれほど体張ってるのに、共演者がダレるのはありえない、その緊張感は見てる方にもひしひしと伝わる。
そういう舞台に元太くんが出るのを見ることができる!嬉しい!!!
SHOCKに出演するとなると、稽古を含めるとかなりの長時間をそれに割かれる。テレビ番組出演の機会も減って、いわゆるジャニーズJr.の王道路線から外れることになる。少なくともその時点でそういう現実はあった。でもSHOCKに出ないからといってそういうチャンスが増える保証もない。それなら出た方がいいに決まってる。あの舞台に立つ姿を見たいし、出演したことで得られる経験は何にも代え難いはずだ。
日本一チケットの取れない舞台ということで、はりきって申し込んだ(チケットは意外と取れるということをその後学んだ)。


初めて見た時は本当に感動した。オープニングで光一さんの両側を松松が挟んでいる図を見ただけで泣いた。きっちりと体に合わせて作られた、キラキラしたものがいっぱいついた衣装を見て泣いた。次から次へと場面が移り変わるたびに泣いた。次から次へと場面が移り変わってもずっといる!!それまで当たり前じゃなかったからそれだけでも泣けた。殺陣の最後、SHOCKの象徴である大階段で追い詰められた松松がシンメで斬られて散っていく図は夢みたいだった。
というか全部が夢みたいだった。ニューホラを踊るげんげん、ソリタリを踊るげんげん、デッドオアアライブを踊るげんげん、Higherを踊るげんげん何これ、夢!?!?!?!?
そして終盤にかけて夢幻、さらに夜の海と畳み掛けられる。
あーーーー 生きてて良かったーーーーーー と心の底から思った。

元太くんが出る前にもSHOCKという舞台を見たことはあり、その時は「重っ!!」と思った。なにせ一回の舞台で主人公が死ぬ場面が何度もある。悲壮感漂うシーンも多い。なんだか重い舞台だと思った。
でも、もはやハッピー感しか感じなかった。だってずっとげんげんが出てるのだ。ハピネスそしてハピネス。迫力に圧倒され、幸福感に包まれた。

見てる分には楽しいだけだったが、本人はきっと大変だったと思う。見るたびに頰がこけていった(ふぉ〜ゆ〜や文一くんの痩せ方も凄かったので、SHOCK出演者基準でいうと標準的だったが)。あの激しい舞台を毎日やり続けるのだ。壮絶さは計り知れない。
しかもこのときは、ユニットに所属していない、という立場の不安定さもあった。同時期にキンプリを筆頭としたJr.達はJr.祭というコンサート仕事もあった。思うところはいろいろあっただろう。
でも元太くんが手にしたものも多かった。
そのひとつが、屋良くんとの出会いだ。屋良くんに推薦されて、夏に佐野瑞樹くん主演舞台ミクロワールドファンタジアに出演することになる。実質的に佐野くんとのダブル主演であった。外部舞台で主演格、ベテラン俳優や2.5出身の違う畑の俳優さんとの共演。たくさんの経験がもたらされた。元太くんにとって大きな収穫があったと思う。


そのあと9月梅田10月博多とSHOCK地方公演があった。前年のジャニフワの時は、地方公演終盤はげっそりと痩せていったのでどうなることかと思っていたが、見る限りは目立った変化や不調もなく最後までやりきっていた。むしろ合宿みたいに楽しそうにやってる、感じがした。
この時は知らなかったが、9月の時点でトラジャ加入の話があったそうだ。10月に如恵留が博多に来た時からは本格的にトラジャ加入へ動き出していた。SHOCK出演、そして地方で2ヶ月に渡る長期公演というだけでもハードなのに、新しい仕事への準備をしていたことに驚く。さらに驚くべきことには、元太くんはおそらくこの時期に大学受験までしている。それらをこなしながら、あの壮絶な舞台を成し遂げていた精神力には感服する。


そして11月の湾岸ライブからTravis Japanに加入という運びになる。トラジャに加入ということは……SHOCKは出るの??アイランド??どっちなのさ??と思っていたら、翌年もSHOCK出演が決まっていた。
2年目のSHOCKは余裕が出てきてグッと大人っぽくなっていた。ダンスもさらに良くなっていた。がぜんキレが良くなった。クセがなくなって、場面に合った動きができるようになっていた。お芝居部分では逆に素の大らかさが出てやんちゃでかわいいゲンタになっていた。
この時期は始まってからいろいろと新しい動きがあった。ジャニーズwebで連載が始まり、YouTubeチャンネルが始まり、3月末には単独コンサートがあった。押し寄せる嬉しい知らせ。しかしハード過ぎでは??と心配になった。そしてSHOCK出演中に元太くんは高校を卒業した。てゆうかそれまで高校生だったんだな!!!と思うとびっくりする。
大変そうだったが、この年のSHOCKも無事に終わりを迎えた。
この年は夏にナイツテイルがあり、地方SHOCKはなかった。


これでSHOCK出演も終わりかな……と思っていたら2019年もSHOCKなことが発表された。しかも如恵留も一緒だった。
この年からSHOCKの演出が大きく変わりだいぶブラッシュアップされた。物語がわかりやすくなっていた。完成形に近いと思っていたので進化することに驚いたし、嬉しかった。変わっていく様子を見たことは元太くんにとっても大きなプラスだと思う。
元太くんも大きく変わった。たとえばステフォを比べて見ると2年前より面差しがグッと大人になっていてびっくりする。いつの段階でも「大人になった!」と思いながら見ているので、SHOCK初年度も「大人になったなーー」と思いながら見てた。けれど振り返って見ると顔も表情があどけない。環境も変わって、きっと中身も大きく変わった。大人になった。そして帝劇SHOCKを終えた翌月、成人を迎えた。
しかしこの年も3月末の休演日に単独コンというスケジュールで、正直きつそうではあった。夏も、夏コンの終盤と並行して秋SHOCKの稽古が行われるという無茶苦茶なスケジュールで体が心配だった。しかし、始まってみると、成人して先輩たちとご飯に行けるようになったのもあって、とても楽しそうだし、休演日に松倉くんとユニバ行ったり元気そうだったので安心した。


SHOCKは何度見てもオープニングで「満足!!!!来て良かったー!!!」と思う。音楽も衣装も装置も照明もなにもかも凝りに凝ってるし、ダンスも殺陣もすべてのパフォーマンスが見応えがある。満足度が半端ない。なにしろげんげんのダンスが好きすぎるので、それをたっぷり拝めるので何度見ても幸福感に包まれる。
あの幸福感を提供してくれて、本当にありがたいと思っている。
SHOCKのある毎日のあの幸福感、終わった後スキップしたい気分で歩く丸の内仲通り、寒いのに気分が高揚してるからあまり寒さを感じない、あの感じ。3年繰り返したあの日々が、いったん区切りで、まるっと思い出になってしまうのが、寂しいと言えば寂しい。
ただ、個人的には「一生分見たな……」と思ったりもしたので(平たく言うと正直ちょっと飽きた)、ここで一区切りはいいタイミングかなと思う。3年は経験としては十分だし、光一さんやキャストの人々とかなり濃い関係を築いた(梅芸楽で光一さんをパパ呼びしていたというレポを見たときは驚いた)。SHOCKに出演するとその期間他の仕事をする機会がないしグループ活動も滞ってしまう。それを考えると良いことでもある。


SHOCKに出演することで、元太くんが思ったことも感じたこともたくさんあったと思う。踊ることもお芝居することも歌うことも、長期公演をこなすということも、技術的に得たこともたくさんあっただろう。ジャニーズのアイドルとしてい続けるとは何かということもたくさん考えたはずだ。何を考えていたか、というのは、見てる側は想像するしかない。それでもステージに立ち続けてくれた、というのはひとつの明確な答えだと思う。
SHOCKで得たことは、きっとこれから見せてくれると思う。それは必ずこれからのパフォーマンスに大きな影響を与える。初主演舞台である虎者で見せてくれたものも、それはSHOCKの礎があったからとも言える。この先に見せてくれるものも、きっとずっと繋がっていくのだと思う。
SHOCKに終わりは来ない。


ひとまずは区切りということで。元太くん、SHOCK出演お疲れ様でした!全309公演!!楽しい思い出をたくさんありがとう!!最後にFNSで披露してくれて嬉しかった!座長ありがとう!!映像化もいつまででもお待ちしてます!!!




もしまたSHOCKに出演することになったら、その時はライバル役で出てね!!!!!!