きみの顔が好きだ

わたしは松田元太くんの顔が好きだ。
間近で一目見て「かっこいい!!!!!」と思ってその瞬間に真っ逆さまに落ちたので、当然ながら顔が大好きだ。あれはまさしくラブフリーフォール、ウソみたいな落下速度だった(ちなみに、『キミアトラクション』が発売する少し前の出来事だった)。
4年経ってげんげんは16才から20才になって、面立ちもすっかり大人になった。けれど、やはり変わらず顔がかっこいい。
なんといっても輪郭が完璧に美しい。頰から顎にかけてのラインが美しすぎる。スッと通った鼻筋もキュッとしまった口元もきれい。目元から頬骨にかけての骨格が美しく、光が当たるとその辺りがハイライトのように白く光る。太いけど薄い、凛々しい上向きの眉毛もすてきだ。上辺はタレ目に近く、下辺はスッと平行なラインを描く、涼やかな目元も最高にかっこいい。前髪をあげると際立つけれど、おでこの形もとてもきれい。パーツも美しいし、なによりそれぞれの配置が絶妙。どの角度から見ても美しく、かつチャーミングさもある完璧な配置である。面長だけど縦の長さを感じさせない。華やかさと同時に涼やかさもある。
時折肌荒れしてる時もあるけれど、肌もきれいで透明感が冴え渡る。普通に発光して見える。肌が白く、頰や目元、耳元が赤く染まるのもまたいい。瞳は意外なほど茶色くて、カラコンしてるかと思ったこともある。そして白目の青さにハッとする。弾ける瑞々しさがあの白目の青さにも表れている。
そして、頭の形もまたきれいで、後頭部の丸みも絶品である。コシはあるけれどサラサラと流れる髪の毛もかっこよさを引き立たせる。耳の形もきれい。
黙っていても本当に美しいけれど、表情を変えるとまた美しい。くしゃっと笑ったときに上がる眉毛、細くなる目と目元のシワも、横に大きくなる口も最高にかわいい。大きく口を開けると歯が見えるが、歯もきれいで歯並びも完璧である。健康的な印象を与える。泣いたり叫んだりしてもちゃんと美しく、下品にならない。
頭から続く首もまたきれいだし、身体全体も美しい。身長は高くないけれど、均整が取れていてスタイルが良い。肩幅は広いし、肩や胸に厚みがある。ウエストはキュッとしまって、上半身に比べて下半身はすっきりとしている。足首に向かってスッと細くなっていく脚のラインも最高。猫背やO脚のような歪んでいるところがなく、立ち姿がスッとしていてとてもきれい。たぶん体幹がしっかりしているのだろう。立っているだけでも絵になるし、ずっと見ていられる。体格に比べて手足が小さいところは可憐でかわいらしい。ゴツゴツしてない指先が赤く染まるのもかわいい。そのバランスも絶妙である。

本人が自分の顔の良さに自覚的なのもいい。どうすればより顔の良さが引き立つか分かってている。最近定番の黒髪で前髪真ん中分けの髪型は顔のきれいさを引き立たせる。踊るたびに髪が揺れると色香が増して見える。おそらく本人としては邪魔だろうけど、髪型を変えないのはその効果がわかっているからだろう。表情の作り方もいい。少しの顔の向き、アゴの角度、目線、それで表情ががらりと変わることがわかってる。そんなに目が大きい方ではないけれど、無理に目を見開かないのもいい。むしろ勝負顔として、くしゃっと笑ったり、目を細めて挑発的な顔をしたりすることが多い。自分の良いところをちゃんと把握している。見せ方を知っているのは賢さだ。



斉藤和義は名曲『君の顔が好きだ』でこう歌う。

君の顔が好きだ 君の髪が好きだ 性格なんてものは僕の頭で勝手に作り上げりゃいい

確かにその通りだ。芸能人なら尚のこと。顔は裏切らないから、顔ファンは最強。
でも勝手に性格を作るのは結構難しい。想像力には限界がある。そして顔立ちだけが好きという場合、最大の敵は飽きである。顔だけだとすぐに飽きる。
顔が好きだという熱を持ち続けられるのは、その美しい造形を持つ人が美しくあると意思を持ってくれているからだ。


げんげんは一般的な意味での語彙力には欠けるところがあって、言葉にするのが得意な方ではない。今でこそ雑誌の記事も増えて、自らの言葉で語る媒体も増えた。でも「……と言っているということは、こういう意味かな?」と自分の中で翻訳しないといけない。その翻訳も合っているかは自信がない。
でもステージ上のげんげんは雄弁である。情熱を持って舞台の上に立っていることは一目で伝わる。そこに立つまでどれだけ努力したかもわかる。愛情深さも人懐っこさも漏れ出ている。そしてステージに立つ喜びに溢れている。いつだって力強いメッセージをくれる。
造形の美しさも素晴らしいけれど、意思を持ってステージに立っているからこそ、その美しさがくっきりと浮かび上がる。だからこそ何度でも新鮮に感動する。
もちろんそのメッセージは、全身から、ダンスやお芝居、パフォーマンス全部から送られてくるものだ。その全てが素晴らしい。けれど、象徴的なのは顔の表情であり目の輝きである。その目を見ると全身が幸福感に満ちる。


だから何度でも現場に足を運ぶたびに思うのである。


きみの顔が好きだ!!!!!!