虎者感想 地方公演編

虎者-NINJAPAN- は、東京サンシャイン劇場公演の後、京都南座、名古屋御園座、広島上野学園ホールと回ります。
わたしはまずサンシャイン劇場公演を観て、その10日後に京都南座の公演を観ました。
今回初めて南座に行ったのですが
すげーーー立派な劇場!!!!!!!
ということに衝撃を受けました。写真では見たことあったけど、それよりずっと風格ある外観。立地もすごい!!京都の繁華街のメインストリートと鴨川が交差する、THE★京都な場所にでーーんと構えてる。東京の歌舞伎座が、銀座四丁目の交差点の所にあるような感じ。観光客もわんさか前を通る。うお、すげー所でやるなあ。もちろん中も、いかにも格式ある劇場といった趣でした。歌舞伎やる劇場だから当たり前ですが。ステージも広いし、奥行きあって天井も高い!!客席の天井や桟敷の装飾もきれい。
サンシャイン劇場との落差すげーーーー!!!!
そして、始まってから演出が俄然映えることに気づきました。プロジェクションマッピングも、凝った照明も、ステージ上駆け回るアクションも、そして何よりウォールトランポリンも、全体が見えるし迫力がある。こういうサイズの劇場でやるものだったのねーーー。
奥まで見やすい良席だったこともあって、全体も細部も堪能できました。


つーか、むしろなぜ東京はサンシャイン劇場でやったのか!?東京とは言っても、埼玉への玄関口におなじみ池袋の、さらに駅から遠く離れた場所にあるこじんまりとした劇場で!?旧巣鴨プリズンだし!!
まあ、きっといろんな事情があったのでしょう。でもあまりに演出の規模と劇場のサイズが合ってなかった。窮屈そうだった。トランポリンとか天井ギリギリだったのによくやったと思います。
池袋はホームタウンなので、来てくれて嬉しかったんですけどね。


南座の方が、回数重ねた成果もあって、パフォーマンスの精度も上がっていたように思います。アクションやタップもこなれてきたし、トランポリンも安定感がありました。ダンスも余裕が出てきた感じがあった。全体的にグッと締まってきた印象。見てるこちらも見所をわかってきたし。なので個人的には南座で観た虎者の方が断然良かったです。
ただ、お芝居もこなれて感情が乗ってきた分、物語の唐突さが目立った気もしました。何度見ても一幕最後のシーンは新鮮に「なんでだよ!!!!」と思ってしまいます。
きっとキャストそれぞれ設定考えて泣くお芝居してるのかなと思いますが、それをされるほどに見てる方は置いてけぼりになってしまう。その設定こっちは知りませんしという話で。いや本当に脚本の粗さが罪深い……。


そのあと御園座も行きました。こちらも初めて行ったんですが、南座よりデカい!!!客席が横に広いので、広々とした感じでした。サイドの席はちょっと見辛そう。こちらは演出に対してちょっと大きすぎるかなと思いました。
行ったのが御園座初回だったのもあってかトランポリンがかなりハラハラの展開でした。細かいミスが多かった。トランポリンに閑也出てなかったし(どうやら京都から時々いなかったらしい)。全体的にも、ちょっと疲労の色を感じました。ハードスケジュールですしね。
ちなみに、御園座は建物の外も中も赤を基調にしているのが印象的でした。トイレ真っ赤!!!というのがインパクトありました。


広島は行かないのでわたしの虎者は名古屋で終了しました。


RIDE ON TIME で屋良くんがトラジャに、「『ずっと踊っててすごい』『がんばってるね』で終わっちゃダメだ」というダメ出しをしてて、観る側としてもグサッと刺さりました。確かにそれは褒め言葉ではあるけど、全面的に褒めてはない。子供の運動会見に行ってるみたいな感想、ある意味子供扱いしてるということです。
そういうの良くないなって思うこともあるんです。見る側の姿勢として。もっと作品全体や演者としてのクオリティを見ねばと思ったりもする。
でも、虎者という舞台を何度見ても、舞台の感想としてはこれしかないんですよね。


がんばってて偉い!!!